高齢者になっても住みやすい!バリアフリーの注文住宅の設計ポイント

公開日:2024/01/15  最終更新日:2023/10/31

Barrierfree design
高齢者が安心して快適に生活するためには、バリアフリーの注文住宅が重要な役割を果たします。高齢になっても住み慣れた場所で生活を続けることは、心地よい老後を過ごすために欠かせません。この記事では、安全性、快適さなどバリアフリー設計の注文住宅を検討する際に考慮すべきポイントについて詳しくご紹介します。

高齢者の快適な生活を支えるバリアフリー住宅とは

バリアフリーとは、高齢者や障がい者など、あらゆる人が生活するうえでの障壁を取り除くことを指します。バリアフリー住宅は、誰もが快適に住むために設計され、さまざまな要素が考慮されているのです。

以下に、バリアフリー住宅を実現するためのポイントを3つご紹介します。

段差の解消

バリアフリー住宅を作る際にもっとも重要なポイントのひとつは、段差の解消です。車椅子を使用する方や高齢者にとって、わずかな段差も大きな障害になります。

バリアフリーな家では、段差をなくすことが不可欠です。これにより、家の中での移動が楽になり、生活の質が向上します。

転倒を予防する

次に重要なポイントは、転倒を予防することです。段差の解消に加えて、手すりを設置することで転倒のリスクを大幅に減らせるでしょう。

手すりは、歩行中に転倒の可能性が高い廊下や靴の着脱時にしゃがむ必要のある玄関、トイレ、浴室などに設置されます。これらの場所で手すりを備えることで、安全な生活環境が整うのです。

温度差をなくす

最後のポイントは、温度差をなくすことです。部屋と廊下、部屋と部屋の温度差を最小限に抑えることで、体に与える影響を軽減できます。

また、温度差を少なくすると、結露やカビの発生を防ぎ、家の寿命を延ばすのにも役立つのです。

安心・安全なバリアフリーの注文住宅を設計するポイント

バリアフリー住宅は、高齢者や障がいのある方々が安心して快適な生活を送るための重要な要素です。こちらでは、バリアフリー住宅のポイントを詳しくご紹介し、なぜこれが重要なのかについても説明いたします。

1階で生活を完結させる

バリアフリーの住宅を設計する際には、1階で生活が完結するようにしましょう。階段の上り下りを避けるために、寝室やバスルームを1階に配置するのが理想的です。要介護者の居室も同様に1階に設け、移動の負担を軽減しましょう。

断熱性・気密性に注意

ヒートショックによる高齢者の死亡者数は年間1万7,000人以上にのぼり、交通事故の死亡者数を上回る数となっています。暮らしをより安心なものにするためには、ヒートショックが起きないように各部屋の気温差を減らす工夫が大切です。

そのためには、断熱性・気密性の高い住宅を建てる必要があります。ただし、断熱性や気密性は、家の構造に左右される場合が多いため、各住宅会社が断熱性・気密性にどれだけ力を入れているかしっかりとチェックしましょう。

バスルーム、トイレ、玄関周りの工夫

バリアフリーな住宅において、バスルーム、トイレ、玄関周りの設計にとくに注意が必要です。段差を解消し、車椅子や歩行器を使用する人がスムーズに移動できるようにしましょう。

また、滑りにくい床材や手すりを設置して、転倒のリスクを減らしましょう。とくに水回りは転倒のリスクが高くなるため、マットを敷いたり、家具にコーナーガードを設置するなどの対策も必要です。

そして、バスルームやトイレなどの水回りは、温度差のないように工夫しましょう。ヒートショックを防ぐためにも温かい環境での生活が快適です。

高齢者になっても住み続けるためのアイデア

バリアフリーの家は、家族の幸せと安心を支える大切な要素です。安心・安全なバリアフリーの注文住宅を設計する際には、これらのポイントを考慮して、快適な生活環境を実現しましょう。

あえて段差をつくる

高齢者になると足腰が弱くなり、立つのも一苦労になるという方もいます。こうした人々に配慮してバリアフリーの家では段差をなくすことが推奨されているのです。

しかし、実際に住んでみると、段差がないのは反対に不便に感じることもあるものです。たとえば、段差に少し腰かけたり、車椅子に乗るのに段差が必要になったり、段差を利用して立ち上がりたいときもあるでしょう。

生活のさまざまなシチュエーションを想定して、あえて段差を作っておくのも手です。

バリアフリー住宅の費用相場とシミュレーション

バリアフリー住宅の坪単価は、場所や選ぶハウスメーカーや工務店によって異なります。広さや地域によって異なり、リフォームの場合も考慮する必要があります。

また、平屋のバリアフリー住宅は坪単価が高額になることがあるため、将来的な負担も考えて、予算に合わせて計画することが大切です。今回は、3LDK(30坪)の平屋をバリアフリーで建てた場合のシミュレーションを紹介します。

【バリアフリーの平屋3LDK(30坪)】
・基本工事費:1,800万円
・付帯工事費(玄関部分の勾配、階段、浴槽のバリアフリー化、手すり、スロープ):400万円
・外構費(ガレージ、他最低限、植栽は除く):200万円
・設計料、経費:350万円
・消費税:275万円
・合計額:3,025万円

上記のシミュレーションはあくまでも一例であり、実際の費用は地域や土壌によって変動します。建築プロジェクトを開始する前に、信頼できるハウスメーカーや工務店に相談し、詳細な見積もりを取りましょう。

まとめ

バリアフリーは、高齢者や障がいのある方々だけではなく、子どもから大人まで家族全体にメリットをもたらす設備です。妊婦の方々や若い世代でも、急なケガや病気により車椅子を必要とする場合があるため、バリアフリーな環境は誰にとっても利益があります。

快適で安全な生活を実現するために、バリアフリー住宅についてしっかりと理解し、住宅会社選びを慎重に行いましょう。

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